メディ×ライフ

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なぜ医者はMRを嫌うのか

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MRは薬のスペシャリスト?

 医薬情報担当者(medical representative、MR)とは、医薬品の適正使用のため医療従事者を訪問することなどにより、医薬品の品質、有効性、安全性などに関する情報の提供、収集、伝達を主な業務として行う者のことを指す。(wikipedia)

 

 上記wikiの説明文だけ見ると、MRは薬の情報収集に長けた「医薬品のスペシャリスト」です。しかし、一般的にMR=製薬会社の営業マン であり、自社の薬に関しての特徴やエビデンスについては詳しいものの、他社製品のことについては案外手薄だったり、「他を落として自分を上げる」やり口で営業してくるひどいMRもいたりします。

 エビデンスの乏しい薬を、なんとか他より優れたものだとアピールしたいがために、下のような広告違反は毎年報告されます。

 厚生労働省は17日、医療用医薬品に関するMRやMSLなどによる広告・宣伝活動について、2018年度に全国の医療機関からモニターとして抽出した施設から報告された違反事例を公表した。64の医薬品で適切性に関する疑義報告があり、違反が疑われる項目は74件で、前年度より7件増加。MRが口頭説明や印刷物を用い、エビデンスのない説明や信頼性の欠けるデータを提供するなど、依然として製薬企業による情報提供の信頼性を損ねる違反項目が増えている実態が明らかになった。

【18年度モニター事業】不適切宣伝、さらに増加-エビデンスない説明が最多 - QLifePro 医療ニュース

 「あれっ?」と感じた説明でも、疑義報告なんてほとんどの医師はすることがないので、認知されてないものがほとんどだと思いますが。

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MRはいい人が多い

 個人的に、MRは基本的には「いい人」が多いと思っています。とはいえ、薬を売るために下からヨイショ×2してくるMRは本人の性格が全くわからず、どういうテンションで話したらいいのか困ります。

 

 

 なお、業務の分野については「薬剤師」の領域と オーバーラップするため、医師よりもそちらの方がMRを厳しい目で見ている人が多いのです。

 ある病院ではMRによる薬の説明会を医師・薬剤師と一部の看護師が同席して行いますが、薬剤師の質問は作用機序など薬理学的なところから攻めて、涙目になってるMRを数多く見てきました。

 

 医師の中でもMRを嫌っている人はそれなりに居て

「あのMR、忙しい時に限って話しかけてきてホントに鬱陶しい

「最近、全然病院に来てないよね。あの会社の薬、採用やめようか

そんなMRへのディスりも聞こえてきます。

なぜMRは嫌われるのか

 なぜMRを嫌う医師が多いのか、という問いの答えですが

自分の商品を売るために、患者や医療従事者の迷惑を考えない人が多いから

ではないかと、自分なりに思っています。

 

 あとは、年配の医師の中には製薬会社にあれこれ接待してもらった経験があるため、”薬を使うのだから、施しを受けるのは当然”と考える人も少なくありません。しかし、現在の厳しくなった規制の中ではMR側も過剰な接待ができなくなってしまったため、反感を持つ人がいるのではないでしょうか(とても自分勝手な話です)。

 

 レジデントの時は、仲良くなった女性MRと何度か飲みに行ったりしましたが、やはりコンプラ的にNGらしいので未だに誰にも話していません。

 

 個人的に、MRさんと喋る際は、製品の説明を1つ聞く代わりに、美味しいおすすめのご飯屋さんを1つ聞き出すことにしています。これに関しては、さすが営業マン、ハズレがないなあと関心します。そういう意味で、MRと話すのは嫌いではありません(製品のゴリ押しには辟易しますが)。

 

MRと仲良くして困ることはない

 MRサイドのブログやSNSもよく見られます。MRは基本的に精神的なストレスとの戦いのようです。医者や薬剤師に気に入られるためにできる限り腰を低くし、待つ、待つ、走る…薬が採用されなければ昇給・昇進もナシ。特に外資系の製薬会社は、完全な成果至上主義…ある一定のラインで首を切られる、なんとも厳しい世界です

↑のMRさんは、MRの対人関係や、女性ならではの理不尽な扱い、外資系の辛さなどがよくわかる(?)ツイートをされているので、割と楽しく拝見しています。

 

 お互いの仕事の大変さを理解した上で、win-winで良好な関係を築いていきたいと考えています。